毎年11月中旬頃から、翌年の裁判員候補者名簿に登録された方を対象に、裁判所から「名簿記載通知」が送付されます。これは、2009(平成21)年5月21日から始まった裁判員制度によるもので、国民から選ばれた裁判員が刑事裁判に参加し、被告人が有罪かどうか、有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決める制度です。
2024(令和6)年には、日本初の女性弁護士を経て、女性裁判官の先駆けとして奮闘された、三淵嘉子さんの実話に基づく連続テレビ小説「虎に翼」が注目されるなど、テレビや映画、小説においても、法曹や法廷を舞台にした作品が人気を集めています。
裁判所や裁判官、裁判員制度について知り、裁判員に選ばれた際の心の準備をしてみてはどうでしょうか。
裁判所を知る
最終更新日 2025年12月19日
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裁判所ってどんなところ
普段の生活を送る上では、身近な存在とは言い難い裁判所。どんな場所なのか知ることができる本を紹介します。
森炎/著 筑摩書房 2016年
裁判所とは「政治権力から独立して裁判をするところ」と述べられています。かつての奉行所とはどう異なるのか、司法権と裁判権の違いなど、一般法学・憲法学・法哲学の観点から裁判所のことを紐解いていきます。
『じつは裁判所ってこんな所なんです!PART1 裁判所勤務20年書記官の卒業日記』
中村圭一/著 ごま書房新社 2022年『じつは裁判所ってこんな所なんです!PART2 私元書記官ですが書きたいことまだまだあります』
中村圭一/著 ごま書房新社 2023年裁判官を知る
裁判官とはどんな職業なのか、深堀りできる本を紹介します。
『裁判官!当職もっと本音が知りたいのです。民事訴訟の説得力が上がる本』
岡口基/著 学陽書房 2025年
裁判において、裁判官のタイプを見極めた上での主張や対応が有効であり、訴状や答弁書等を読みやすい書面になるよう工夫して準備することも判決の鍵となってきます。法律実務家に向けた研修を収録したものですが、なかなか聞けない裁判官の本音が語られており、裁判の裏側を知ることができる内容となっています。
加藤新太郎/著 岩波書店 2024年
タイトルの「四日目」は、学生から質問される「裁判官になってよかったですか」への答えにつながる重要な判断ポイントのようです。法と社会、事件と人との関わりについてや、何を悩み、どんなことを楽しみにしているのかをつづった裁判官のエッセイ集です。
長嶺超輝/著 河出書房新社 2020年
法律は身近な存在であるにも関わらず、特殊な専門用語などが難しく、どこか遠い存在に感じたりします。犯罪や当事者の感情に寄り添う裁判官の言葉を、「30の罪」と「30の聖断」として、傍聴の記録と裁判官の下した判決を身近に感じられるノンフィクションとして紹介しています。
平凡社 2024年
連続テレビ小説「虎に翼」のモデルとなった、三淵嘉子さんの生い立ちや学生時代、その後の法曹人としての人生を、豊富な写真と本人を知る人々への取材をもとにたどります。社会の矛盾や不平等と果敢に戦い、道を切り開いて行ったその生涯は、愛と信念に基づいていました。
岩瀬達哉/著 講談社 2025年
瀬木比呂志/著 KADOKAWA 2021年
井上薫/著 中央公論新社 2025年
裁判傍聴記
裁判を傍聴したことはありますか?裁判傍聴録や、傍聴へ行く際に役立つ本を紹介します。
朝日新聞社会部/著 2021年
「法廷で語られる被告の声をもっと伝えたい」という若手記者の提案をきっかけに、朝日新聞の記者たちが裁判を傍聴してつづったもの。同情も共感もできない被告人もいますが、事件の背景にある介護や貧困、孤独の問題を知ると「こうなる前に…」と考えさせられてしまいます。
北尾トロ/著 プレジデント社 2019年
ビジネスマンが起こした事件を中心とした裁判傍聴記です。被告人の生き方や、どこでどう間違えて犯罪者になってしまったのかという点を重視して書かれています。第2章の「法廷の人に学ぶビジネスマン処世術」も興味深い内容です。
井上薫/著 法学書院 2010年
『裁判傍聴ハンドブック 傍聴のポイントから裁判員制度のしくみまで早わかり!』
バウンド/編著 河出書房新社 2010年裁判員制度を知る
高校生を含む18歳、19歳の有権者も裁判員に選ばれる年齢となりました。次はあなたの番かもしれません。裁判員に選ばれた時のために、裁判員制度について知っておきませんか。
牧野茂/著 旬報社 2024年
裁判員経験者の交流会で体験談を語った17人のインタビューが掲載されています。年齢、性別、職業も様々で、本当にランダムに選出されていることがわかります。最初は戸惑いのある人も本番では前向きに取り組んでいる姿が印象的です。
四宮啓/編著 太田出版 2023年
2022(令和4)年から裁判員になれる年齢が18歳以上となりました。もしあなたが選ばれたら、人を裁くことができますか?裁判や裁判員制度の基礎知識と、裁判員裁判のシミュレーションを豊富なカラー図版で解説しています。
模擬裁判 あなたならどう裁く
NHKEテレ「昔話法廷」政策班/編 金の星社 2016年
オオカミを殺した『三匹のこぶた』のこぶた、タヌキに敵討ちをした『カチカチ山』のウサギ、姫の毒殺を目論んだ 『白雪姫』の王妃。もし裁判員として選ばれたとしたら、彼らをどのような罪と判断するのでしょうか。法廷に入り込んだ気持ちになりながら、模擬裁判を味わえる作品です。
四宮啓/編著 成文堂 2024年
とある殺人事件について、刑事裁判が開かれます。事件が起きてから判決が下されるまで、弁護士や検察官の間でどのような手続きが踏まれているのか、小説タッチで描かれています。被告人の女性は、被害者と不倫関係にあり、痴情のもつれにより殺害してしまいました。しかし、殺意はなかったと主張しています。あなたは、この被告人を有罪にしますか?それとも無罪にしますか?
森炎/著 ポプラ社 2015年
礼埜和男/著 清水書院 2025年