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ノーベル賞120年

最終更新日 2022年01月05日

展示期間 : 11月から12月

展示場所 : 本館児童展示


ノーベル賞120年の展示ポスター
ノーベル賞は、ダイナマイトを発明したアルフレッド・ノーベルの遺言をもとに作られ、第1回授賞式は120年前の1901(明治34)年12月10日に行われました。ノーベルの実験助手をつとめていたラブナール・ソールマンが賞の運営のために設立した財団は、今日に至るまでノーベル賞の授賞を続けています。
ノーベル賞は、世界的にもとても栄誉のある賞であり、例えば、「X線」を発見したヴィルヘルム・レントゲン、「相対性理論」などを発表し「現代物理学の父」とも呼ばれるアルベルト・アインシュタイン、「心電図」を発明した生理学者アイントホーフェン、「血液型」を発見した化学者ラントシュタイナーなども、受賞者に名を連ねています。 今回の展示では、ノーベル賞に関係する資料を紹介します。

展示関連情報

アルフレッド・ノーベルについて

『ノーベルと爆薬』

トレバー・I.ウィリアムズ/作 片神貴子/訳 玉川大学出版部
アルフレッド・ノーベルが発明した「ダイナマイト」や着火用の雷管は、硬い岩をくだくのに重宝され、道路や鉄道、トンネルなどの建設工事や採掘工事の安全性が向上しました。一方、この爆薬は次第に戦争でも用いられるようになり、そのことに心を痛めたノーベルは、平和運動に取り組むようになりました。また、遺言書をつくり、その中で「自分の遺産のほとんどを、人類に大きな貢献をした人に賞として与えてほしい」と書き残しました。これにより、ノーベル賞の授賞が始まりました。
この本では、ダイナマイトの発明とノーベル賞のことだけでなく、爆薬の歴史や、事業をめぐって起こったトラブル、遺言状の及ぼした影響などについても紹介されています。

『ノーベル 未来への伝言』

大野進/文 藤原カムイ/絵 講談社

ノーベル賞について

『ノーベル賞とアルフレッド・ノーベル』

こどもくらぶ/編 岩崎書店
アルフレッド・ノーベルの生い立ちを紹介する伝記のページ、世界で最も権威がある賞ともいわれているノーベル賞について、その仕組みや歴史などを解説するページ、ノーベル賞を受賞した人たちを紹介するページなどから構成されている本です。

「ノーベル賞の大研究」シリーズ(全5冊)

若林文高/監修 文研出版
『くらしにつながるノーベル賞』『いのちにつながるノーベル賞』『科学の発展につながるノーベル賞』『平和・環境につながるノーベル賞』『もっと知りたい!ノーベル賞』の5冊で構成されているシリーズです。それぞれのテーマに関わる発見・発明や活動が取り上げられており、例えば『くらしにつながるノーベル賞』では、無線通信装置の開発、IC(集積回路)の発明などが紹介されています。

『ノーベル賞でつかむ現代科学』

小山慶太/著 岩波書店
ノーベル賞は、人類に大きな貢献を果たした研究者に授与されます。従って、受賞者にはそうそうたる科学者の名が並び、また、ノーベル賞を受賞した研究を追っていくと現代科学の全体像が見えてきます。この本では、「素粒子」「物質」「生命」「宇宙」の4つのテーマに大別し、解説しています。

日本の受賞者や発見・発明について

『湯川秀樹が考えたこと』

佐藤文隆/著 岩波書店
湯川秀樹氏は、1935(昭和10)年に中間子論の論文を発表しました。その後、戦後間もない1949(昭和24)年に日本人として初めてノーベル賞を受賞しました。湯川氏の生い立ちや中間子論などについて紹介しています。

『ニュートリノの夢』

小柴昌俊/著 岩波書店
「ニュートリノ」は、宇宙で最も豊富な素粒子の1つです。電気を帯びず、何かにぶつかっても止まったり、曲がったりせずに突き抜けていきます。小柴昌俊氏は、実験装置「カミオカンデ」で超新星ニュートリノの観測に成功したことが評価され、2002(平成14)年にノーベル物理学賞を受賞しました。
この本では、小柴氏自身が、子ども時代から現在までどのように歩みを進めてきたかや、1965(昭和40)年にノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎氏との思い出、「カミオカンデ」のことについてなどを記しています。

『理科室から生まれたノーベル賞 田中耕一ものがたり』

国松俊英/著 藤本四郎/絵 岩崎書店
田中耕一氏は、勤め先の会社でたんぱく質分子の立体構造や質量を分析するための手法を開発研究し、その功績が認められて2002(平成14)年にノーベル化学賞を受賞しました。子ども時代のエピソードを軸に、ノーベル賞受賞までを簡単な文章で書いたノンフィクションです。

『「フラフラ」のすすめ』

益川敏英/著 講談社
若い人たちに向けて、将来好きなもの、熱中できる対象、あこがれを見つけるためのヒントになれば、と自身の経験をもとに記した1冊です。決して優等生ではなかった小学生のころの経験、高校1年の3学期に抱いたあこがれと目標、大学生になってからの経験、幼いころの戦争体験と命の大切さや平和への考えなどが書かれています。

『素粒子はおもしろい』

益川敏英/著 岩波書店
益川敏英氏は、2008(平成20)年にノーベル物理学賞を受賞しました。この本では、素粒子の研究の流れや、科学についての益川氏の考え方などが書かれており、そのほかにコラムもあります。

『益川博士のロマンあふれる特別授業 子どもたちに、伝えておきたいこと』

益川敏英/著 朝日学生新聞社
朝日小学生新聞のインタビューや、立命館小学校での講演内容を文章としてまとめた1冊です。また、益川氏の人物像について、一緒にノーベル物理学賞を受賞した小林誠氏などが語った内容も載っています。

『iPS細胞を発見!山中伸弥物語 折れない心で希望をつなぐ!』

上坂和美/著 PHP研究所
山中伸弥氏は、人間の皮膚細胞を使って万能細胞をつくる研究を行い、2012(平成24)年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。山中氏はこの万能細胞を「iPS細胞」と名づけ、iPS細胞は、病気や怪我で失った機能を回復させる再生医療や、病気の原因を解明したり、新しい薬の開発をしたりすることへの活用が期待されています。iPS細胞をつくるまでに何度も挫折を経験した山中氏について書かれたノンフィクションです。

『よくわかるLED・発光ダイオードのしくみ 光るメカニズムから青色発光ダイオードまで』

伊藤尚未/著 誠文堂新光社
2014(平成26)年、青色発光ダイオードの発明・開発に尽力した赤﨑勇氏、天野浩氏、中村修二氏の3名にノーベル物理学賞が贈られました。発光ダイオードはLEDとも呼ばれ、LED照明など身近なところでも用いられています。青色発光ダイオードについてや、発光ダイオードのしくみや特徴などが解説されています。

『ニュートリノの謎を解いた梶田隆章物語』

山本省三/著 PHP研究所
梶田隆章氏は「ニュートリノが質量を持つことを示すニュートリノ振動の発見」により、2015(平成27)年にノーベル物理学賞を受賞しました。これは宇宙の始まりの謎を解く大きな手掛かりになるといわれています。専門的な知識がないと理解できない部分もある難しい研究ですが、この本では難しすぎる部分を省き、なるべくわかりやすい表現でその軌跡を記しています。

『大村智ものがたり 苦しい道こそ楽しい人生』

馬場錬成/著 毎日新聞出版
アフリカの熱帯地方では、昔から、河川に生息するブユにかまれると感染する、オンコセルカ症と呼ばれる病気が流行していました。この病気になると目が見えなくなってしまうのですが、大村智氏は予防薬を開発し、熱帯地方の2億人以上の人々を救いました。この功績により、2015(平成27)年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
「人のまねは絶対にしない」と自分に言い聞かせ、常に新しいことに挑戦してきた大村氏の歩みについて書かれています。

『日本のスゴイ科学者 29人が教える発見のコツ』

日本科学未来館/編著 朝日小学生新聞/編著 池田圭吾/イラスト 朝日学生新聞社
医学、生物学、化学、物理学、地学、それぞれの分野で卓越した発見や発明をした日本人科学者29名を取り上げ、その研究を紹介しています。29名の中には、2018(平成30)年にノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑氏、2019(令和元)年にノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏なども含まれています。

世界の受賞者や発見・発明について

『ノーベル賞受賞者が教えるノーベル賞をとる方法 楽しい実験つき』

バリー・マーシャル/著 かとうりつこ/訳 WAVE出版
アルベルト・アインシュタイン、マリ・キュリーなどの歴代受賞者の研究について、物語の形式で解説しています。また、各研究に関する簡単な実験についても紹介しています。著者のバリー・マーシャル氏は、ヘリコバクター・ピロリが胃潰瘍の原因であることを発見し、2005(平成17)年にノーベル生理学・医学賞を受賞した人物で、自身の研究についても記載しています。

『キュリー夫人』

エリナー・ドーリイ/作 光吉夏弥/訳 岩波書店
マリ・キュリーは、放射能の研究により1903(明治36)年にノーベル物理学賞、ラジウムなどの発見と研究で1911(明治44)年にノーベル化学賞を受賞しました。マリ・キュリーをおいてほかに物理学賞と化学賞の両方を受賞した人はいません。彼女の生涯をつづった1冊です。

『マリー・キュリー 科学の流れを変えた女性』

フィリップ・スティール/著 赤尾秀子/訳 BL出版
マリ・キュリーの生涯について、写真や図を用いて紹介しています。

『マリー・キュリーが考えたこと』

高木仁三郎/著 岩波書店

『マルコーニ』

スティーヴ・パーカー/著 鈴木将/訳 岩波書店
グリエルモ・マルコーニは、「無線通信」の開発を行い、1909(明治42)年にノーベル物理学賞を受賞した人物です。電波が地球を1周するようになってから100年近く経ちましたが、その間、電波や無線通信に関わる技術は大きな発展を遂げてきました。写真や図を用いながら、マルコーニの取組を紹介する1冊です。

『アインシュタイン16歳の夢』

戸田盛和/著 岩波書店
アルベルト・アインシュタインは、「現代物理学の父」とも呼ばれる人物です。1905(明治37)年に「相対性理論」を始めとする5つの論文を発表し、そのうちの「光電効果の法則に関する発見」によって1921(大正10)年にノーベル物理学賞を受賞しました。この本では、生い立ちと「相対性理論」を発表したころに重点を置いて、アインシュタインの歩みを紹介しています。

『アインシュタインと相対性理論』

D.J.レイン/作 ないとうふみこ/訳 玉川大学出版部

『ガンたちとともに コンラートローレンツ物語』

イレーヌ・グリーンスタイン/作 樋口広芳/訳 福音館書店
コンラート・ローレンツは、近代の動物行動学を確立した人物で、1973(昭和48)年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。動物行動学とは、動物の行動を観察し、研究する学問です。ローレンツの発見の中には、広く知られるようになった「刷り込み」と呼ばれる現象もあります。ローレンツがガンに焦点を当てて始めた研究について、絵本の形式で紹介しています。

『車輪の下』

ヘルマン・ヘッセ/著 秋山英夫/訳 偕成社
19世紀末のドイツが舞台の作品で、ヘルマン・ヘッセの少年時代の苦悩を描いた自伝的小説といわれています。ヘッセは、1946(昭和21)年にノーベル文学賞を受賞しました。

『世界名作ショートストーリー 4 ヘルマン・ヘッセ』

理論社
ヘッセの短編「少年の日の思い出」といえば、中学校1年生の国語教科書に掲載されていることから日本の人々にも広く知られている作品です。この本では、その初稿として1919(大正8)年に発表された「クジャクヤママユ」を始め、5つの短編小説が収められています。

『「危険なジェーン」とよばれても』

スザンヌ・スレード/文 アリス・ラターリー/絵 小林晶子/訳 岩崎書店
ジェーン・アダムズは、困っている人を助けるため、1889(明治22)年に「ハルハウス」を設立しました。ここでは、英語教室、保育園、仕事の紹介など、近くに住む貧しい人々が必要とするものを提供し、1906(明治39)年には時の大統領セオドア・ルーズベルトから感謝の手紙も受け取りました。しかし、第一次世界大戦を経て、他国の人々にも手を差し伸べるジェーンの姿は裏切りのように捉えられるようになり、FBIは「アメリカで最も危険な女性」とまで呼びました。ジェーンは変わらずに困っている誰かを助ける行いを続け、1931(昭和6)年にアメリカ人女性として初めてノーベル平和賞を受賞しました。彼女の生涯を紹介した絵本です。

『わたしには夢がある』

マーティン・ルーサー・キング・ジュニア/文 カディール・ネルソン/絵 さくまゆみこ/訳 光村教育図書
マーティン・ルーサー・キング・ジュニアは、1963(昭和58)年に行われた「ワシントン大行進」の際に「私には夢がある(I Have a Dream)」で知られる有名な演説を行った人物です。キングたちを中心とした公民権運動により、アメリカで施行されてきた法の上における人種差別は撤廃されました。徹底した非暴力主義とアフリカ系アメリカ人の地位向上に与えた影響は大きく、1964(昭和39)年にノーベル平和賞を受賞しています。演説を題材とした絵本であり、巻末には演説全文の日本語訳も載っています。

『マザー・テレサ あふれる愛』

沖守弘/文・写真 講談社
1979(昭和54)年にノーベル平和賞を受賞したマザー・テレサについて、78枚の写真と共にその活動をたどった1冊です。

『マザー・テレサ 命をてらす愛』

望月正子/文 丹地陽子/絵 講談社

『ネルソン・マンデラ アパルトヘイトを終焉させた英雄』

筑摩書房編集部/著 筑摩書房
ネルソン・マンデラは、南アフリカ共和国にあった「アパルトヘイト」という人種差別制度と戦い、46歳のときに刑務所に入れられました。投獄の期間は27年にも及びましたが、釈放された後も活動を行い、南アフリカ初の黒人の大統領に選ばれました。1993(平成5)年には、ノーベル平和賞を受賞しています。

『ネルソン・マンデラ』

カディール・ネルソン/作・絵 さくまゆみこ/訳 鈴木出版

『ネルソン・マンデラ 差別のない国をめざして』

アラン・セール/原作 ザウ/絵 高野優/監訳 田中裕子/訳 川口明百美/訳 汐文社

『ワンガリ・マータイ 「MOTTAINAI」で地球を救おう』

筑摩書房編集部/著 筑摩書房
ワンガリ・マータイは、森林の伐採により進む砂漠化を食い止めるために木を植える活動を続け、2004(平成16)年にアフリカ人女性として初めてノーベル平和賞を受賞しました。また、受賞の翌年に来日した際に「もったいない」という日本語と出会い、「MOTTAINAI」を世界に通じる言葉として紹介した人物でもあります。ワンガリ・マータイの人生をたどった1冊です。

『ワンガリ・マータイ 「もったいない」を世界へ』

フランク・プレヴォ/原作 オーレリア・フロンティ/絵 高野優/監訳 坂田雪子/訳 長井佑美/訳 汐文社
ワンガリ・マータイの歩みを記した絵本です。巻末には、「ワンガリ・マータイ 人生のあゆみ」という年表などの資料も載っています。

『その手に1本の苗木を マータイさんのものがたり』

クレア・A.ニヴォラ/作 柳田邦男/訳 評論社

『わたしはマララ 教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女』

マララ・ユスフザイ/著 クリスティーナ・ラム/著 金原瑞人/訳 西田佳子/訳 学研パブリッシング
マララ・ユスフザイは、15歳の時にスクールバスの中で銃撃されました。マララは奇跡的に一命をとりとめ、2013(平成25)年にニューヨークの国際連合本部で教育の大切さを訴える演説を行います。そして、2014(平成26)年に17歳でノーベル平和賞を受賞しました。幼少期から銃撃事件の後までをつづったマララの手記で、巻末にはスピーチの日本語訳も収められています。

『マララ 教育のために立ち上がり、世界を変えた少女』

マララ・ユスフザイ/著 パトリシア・マコーミック/著 道傳愛子/訳 岩崎書店

『PEACE AND MEわたしの平和 ノーベル平和賞12人の生きかた』

アリ・ウィンター/文 ミカエル・エル・ファティ/絵 中井はるの/訳 かもがわ出版
赤十字社を設立したジャン・アンリ・デュナンや、国際連合難民高等弁務官事務所の設立につながる業績を残したフリチョフ・ナンセンなど、ノーベル平和賞を受賞した12人について、見開き1ページずつで紹介しています。