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岩波少年文庫創刊70年

最終更新日 2021年03月02日

展示期間 : 03月から04月

展示場所 : 本館児童展示


岩波少年文庫創刊70年の展示ポスター
「岩波少年文庫」は、海外で長く親しまれている児童文学の名作を豊かな翻訳で届けることを目的として、1950(昭和25)年のクリスマスに創刊されました。2020(令和2)年には創刊70年を迎え、今日に至るまで3世代にわたる読者に読み継がれています。
創刊に携わった石井桃子さんは、「うさこちゃん」「ピーターラビット」「クマのプーさん」シリーズなどの翻訳や、『ちいさなねこ』『ノンちゃん雲に乗る』などの絵本やお話しの創作も行い、日本の児童文学の世界に大きく貢献した人物です。
今回の展示では、古今東西の名作を集めた「岩波少年文庫」をご紹介します。

展示関連情報

岩波少年文庫

『大きなたまご』

オリバー・バターワース/作 松岡享子/訳 岩波書店
ある日、ネイトの家でかっているめんどりが、大きな大きなたまごを産みました。やがて、たまごがかえり、中から出てきたのは、見たこともない生物でした。大昔の生物について調べているチーマー先生は、この生物が恐竜トリケラトプスの赤ちゃんにまちがいないと言います。トリケラトプスは、大きくなると6メートル以上、重さは10トンにもなります。それほど大きな恐竜を、どうやって育てたらよいのでしょうか。

『おとなりさんは魔女』

ジョーン・エイキン/作 猪熊葉子/訳 岩波書店
アーミテージ家は、アーミテージさんと奥さん、マークとハリエットの4人暮らしです。奥さんが不思議な石に「週に1度はおもしろいことが起こりますように」と願ったことから、一家のまわりでは、とんでもないできごとが次々と起こるようになります。不思議でおかしな日常のお話がたくさんつまった1冊です。

『カイウスはばかだ』

ヘンリー・ウィンターフェルト/作 関楠生/訳 岩波書店
ある朝、神殿の壁に赤い絵の具で「カイウスはばかだ」と書かれているのが見つかりました。前の日に学校でカイウスとけんかをしていて、疑いをかけられたルーフスを助けるため、ムキウスたちは、犯人探しを始めます。2000年前のこととは思えない、古代ローマの学校に通う少年たちの推理と冒険の物語です。

『影との戦い ゲド戦記 1』(シリーズあり)

ル=グウィン/作 清水真砂子/訳 岩波書店
幼いころから不思議な力を持っていたゲドは、大魔法使いオジオンのもとで修行をしていましたが、優しく穏やかな師匠の教えに飽き足らず、より高度な魔法を求めてローク島の学院で学ぶことになります。しかし、傲りと嫉みの心から、禁じられた呪文を唱え、死の国の影を呼び出してしまい、影に追われてさまようことになってしまいます。

『消えた王子 上・下』

フランシス・ホジソン・バーネット/作 中村妙子/訳 岩波書店
ヨーロッパの小国、流血の絶えないというサマヴィアには、500年前に姿を消した王子の伝説が伝えられていました。ロンドンの下町で暮らすサマヴィア人のマルコは、祖国に忠誠を誓い、いつか国のために働くことを夢見ていました。ある日マルコは、足の不自由な少年ラットと出会い、彼と一緒にある重要な合図を伝える旅に出ることになります。はたして、伝説の消えた王子は本当に存在するのでしょうか。『秘密の花園』や『小公女』の作者として知られるバーネットが書いた物語です。

『クローディアの秘密』

E・L・カニグズバーグ/作 松永ふみ子/訳 岩波書店
12歳のクローディアは、弟のジェイミーと家出することにしました。行先はニューヨーク市のメトロポリタン美術館です。おこづかいを貯め、美術館のパンフレットを研究し、きちんと計画を立てました。美術館では、閉館時間にトイレにかくれて守衛をやりすごし、展示された昔の寝台で眠りました。
ある日、ミケランジェロの作かもしれない天使の彫像が新しく展示され、2人はその天使の謎を解こうとするのですが…。

『しずくの首飾り』

ジョーン・エイキン/作 岩波書店
北風がローラにくれた「しずくの首飾り」には不思議な力がありました。決して外してはいけない首飾りをなくしてしまったローラは、ネズミやイルカに助けられ、アラビアまで首飾りを探しに行きます。ほかに「空のかけらをいれてやいたパイ」、「魔法のかけぶとん」など、想像力豊かな魔法の物語が全部で8つ入っています。

『ジム・ボタンの機関車大旅行』(シリーズあり)

ミヒャエル・エンデ/作 上田真而子/訳 岩波書店
フクラム国には、王さま、機関士と機関車、ソデワキ氏とナーニおばさんが住んでいました。ある日、フクラム国に不思議な小包が届きました。開けてみるとその中から、かわいい赤ん坊が出てきました。赤ん坊は、ジムと名づけられ、ナーニおばさんに育てられることになります。ジムはどんどん大きくなっていきました。ところが、小さなフクラム国には、ジムが大きくなっても住むところがありません。そこで、ルーカスと機関車のエマとジムは住むところを探す旅に出ます。

『第九軍団のワシ』

ローズマリ・サトクリフ/作 猪熊葉子/訳 岩波書店
守備隊の司令官を任されたローマ人のマーカス。彼は重傷を負ったため軍団を離れ、身を寄せた叔父の家でブリトン人の奴隷エスカと出会います。次第に心を通わせるようになった2人は、父が所属し、謎の失踪をとげた第九軍団と、ローマ帝国の象徴である「ワシ」を求め、危険な北の辺境へ旅に出ます。
マーカスの子孫が登場するローマン・ブリテン・シリーズ『銀の枝』『ともしびをかかげて』『辺境のオオカミ』もおすすめです。

『大力のワーニャ』

オトフリート・プロイスラー/作 大塚勇三/訳 岩波書店
ワーニャは、とほうもないなまけものの青年です。しかし、かまどの上で7年間寝て過ごしたことで、たいへんな大力を身につけました。ワーニャは旅の道中、怪物や魔女とたたかい、人々を救いながら、はるか遠く、白い山々のかなたにある国を目指します。その国にある皇帝のかんむりが、ワーニャを待っているというのです。

『宝島』

スティーヴンスン/作 海保真夫/訳 岩波書店
ジムは、郷士のトリローニさんや医師のリヴシー先生と一緒に、フリント船長が隠した財宝を探しに出かけます。けれども、船に乗組員として乗り込んだ海賊シルヴァーが、恐ろしい陰謀を企んでいたのです。

『小さい牛追い』

マリー・ハムズン/作 石井桃子/訳 岩波書店
あるノルウェーの農場に、四人の子どもたちが、お父さん、お母さんと一緒に住んでいました。夏の間、一家は山の牧場で村中の牛やヤギたちを預かることになっています。子どもたちは、山に牛追いに行くのをとても楽しみにしていました。

『点子ちゃんとアントン』

エーリヒ・ケストナー/作 岩波書店
「点子ちゃん」の本当の名前はルイーゼです。ぜんぜん大きくならなかったので、このあだ名がついています。点子ちゃんの家はお金持ちですが、お父さんもお母さんもちっともかまってくれません。仲良しのアントンは家は貧しいけれど、お母さん思いのやさしい少年。こんなふたりが、きみょうな事件にまきこまれました。

『トムは真夜中の庭で』

フィリパ・ピアス/作 高杉一郎/訳 岩波書店
トムは、弟がはしかにかかったので、アランおじさんのところにいくことになりました。退屈で眠れないトムは、夜中の1時にホールの大時計が13時を打つのを聞き、月の光の中で裏庭へのドアを開けます。そこは、昼には存在しなかったはずの庭園と昔のお屋敷でした。トムはお屋敷の少女ハティと友だちになります。

『ドリトル先生アフリカゆき』(シリーズあり)

ヒュー・ロフティング/作 井伏鱒二/訳 岩波書店
ジョン・ドリトル先生は動物と話のできるお医者さん。かしこいオウムのポリネシアや、家事をきりもりするアヒルのダブダブ、忠実な犬のジップといった動物たちと、貧しいながらも楽しく暮らしていました。
ある日、ドリトル先生はアフリカでサルたちの間に、おそろしい病気が流行していることを知り、サルたちを救うため、アフリカへ航海の旅に出かけます。

『長い長いお医者さんの話』

カレル・チャペック/作 中野好夫/訳 岩波書店
むかし、むかし、ずっと大むかしの魔法つかいのお話しや、郵便屋さんやおまわりさん、それにカッパや妖精が出てくる9つの楽しいおとぎ話の本です。登場人物や地名は、初めて聞く響きが多いでしょうが、これは、チェコという国で書かれたおはなしです。きっと、あなたもお話しの世界に誘い込まれることでしょう。

『ながいながいペンギンの話』

いぬいとみこ/作 大友康夫/画 岩波書店
怖いもの知らずのルルと、心優しいけれど臆病なキキ。2ひきは産まれたばかりの赤ちゃんペンギンの兄弟です。ある日、ルルがお父さんとお母さんを探しにでかけると、トウゾクカモメが襲ってきました。逃げ出したルルは、おばあちゃんペンギンに会い、怖い人間の話を教えてもらいます。ところが、ルルはその怖い人間に捕まってしまったのです。

『長くつ下のピッピ』(シリーズあり)

リンドグレーン/作 大塚勇三/訳 岩波書店
ピッピ・ナガクツシタは、世界一強い女の子です。お母さんは、ピッピが小さいときに亡くなってしまい、船長だった大好きなお父さんとは、嵐で離れ離れになってしまいます。たったひとりで暮らし始めたピッピが巻き起こす、とびきりゆかいな物語です。

『はてしない物語』

ミヒャエル・エンデ/作 上田真而子/訳 佐藤真理子/訳 岩波書店
バスチアンは、いじめられっ子から逃げるために偶然入った古本屋で、店主が読んでいた1冊の本に心を奪われます。それは、ファンタージェンという国を舞台にした『はてしない物語』でした。本の中の国「ファンタージェン」は、正体不明の「虚無」に滅ぼされようとしており、物語の主人公アトレーユは、女王の命を受けて王国の危機を救うために旅に出ます。しかし、なぜかそこには現実の世界にいるバスチアン自身の話が書かれていました。

『ふたごの兄弟の物語 上・下』

トンケ・ドラフト/作 西村由美/訳 岩波書店
ふたごの兄弟ラウレンゾーとジャコモは、見た目はそっくりですが、性格はまったく似ていません。ある時、2人の若者は広い世界を知るために旅に出ます。そして兄は、貴金属細工師の親方のところに弟子入りしますが、冒険に満ちた生き方を求める弟は、ひょんなことから泥棒の親方のところで修業をすることに…。うりふたつであることを利用して、ふたごの冒険がはじまります。

『ふたりのロッテ』

エーリヒ・ケストナー/作 池田香代子/訳 岩波書店
夏休みを過ごす「子どもの家」で、たまたま出会ったルイーゼとロッテ。驚いたことに2人は何から何までそっくりで、誕生日や生まれた場所まで同じでした。それもそのはず、ルイーゼとロッテは、離婚したお父さんとお母さんにそれぞれ育てられた双子だったのです。2人は、お父さんとお母さんを仲直りさせようと、とんでもない作戦を立てます。さて、その作戦とは…。

『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』(シリーズあり)

斎藤惇夫/作 藪内正幸/画 岩波書店
イタチの一族におそわれ、絶滅寸前となった島のネズミたち。彼らを助けるため、町ネズミのガンバと仲間の船乗りネズミたちは夢見が島へ向かいます。しかし、イタチはあまりにも強く、先頭に立って闘うガンバも行方不明になってしまいます。
さて、ネズミたちの運命は?

『ホビットの冒険』

J.R.R.トールキン/作 瀬田貞二/訳 岩波書店
のんびり平和な毎日を送っていたホビット族のビルボは、魔法使いのガンダルフとドワーフ達とともに、竜に奪われた宝を取り戻す旅に出ます。はじめは、家に帰ることをひたすら願っていたビルボですが、トロルやゴブリンに襲われながらもドワーフ達を助け、次第に勇気と知恵を身につけていきます。さてビルボは、この危険な旅を切り抜けて、無事に帰ることができるでしょうか。

『みどりのゆび』

モーリス・ドリュオン/作 安東次男/訳 岩波書店
チトは、とてもかわいくてりこうな男の子です。ところが、いつも授業中にいねむりをしてしまうので「ほかの子どもと同じではない」と学校を追い出されてしまいました。でも、チトには不思議な力がありました。チトは、種をさわるとたちどころに花を咲かせることができる「みどりのゆび」を持っていたのです。

『ムギと王さま』

ファージョン/作 石井桃子/訳 岩波書店
わたしが夏を過ごすことになっていた村に、「お人よしのウィリー」とよばれている少年がいました。ある日、わたしがムギ畑で横になっていると、ウィリーがやってきました。そして、わたしが時計のくさりにつけていたカブトムシ石にさわると、急に話しはじめたのです。それは、ウィリーが小さい頃にまいたムギと、エジプトの王さまの話でした。

『名探偵カッレくん』(シリーズあり)

アストリッド・リンドグレーン/作 尾崎義/訳 岩波書店
カッレくんは、名探偵になることを夢見る男の子。ある日、友達のエーヴァ・ロッタの家に泊まっているエイナルおじさんの行動が怪しいと思ったカッレくんは、エーヴァ・ロッタ、アンデスと、3人で捜査を始めます。事件を追ううちに、町のお城の地下室に閉じこめられてしまった3人でしたが…。

『モモ』

ミヒャエル・エンデ/作 大島かおり/訳 岩波書店
モモは、小さな円形劇場の廃墟に住む孤児の女の子です。「相手の話を聞く」ということに関して素晴らしい才能を持っていたモモの周りには、道路掃除夫ベッポや観光ガイドのジジ、近所に住む大人や子どもたちがいつも集まってきました。しかしある時、街に時間貯蓄銀行の外交員を名乗る灰色の男たちが現れ始め、人々の生活は効率ばかりを重視するように変わり、心の余裕も失っていきます。モモは、時間を司るマイスター・ホラや半時間先の未来を知ることができるカメのカシオペイアの助けを借りて、灰色の男たちが奪った人々の時間を取り戻そうとします。

『ゆかいなホーマーくん』

ロバート・マックロスキー/作 石井桃子/訳 岩波書店
ホーマーくんは、機械いじりの得意な男の子です。おじさんのお店には、自動パン焼き機や自動コーヒーわかし機などの最新の機械がそろっています。ある日、ホーマーくんがおじさんにたのまれてお店で留守番をしていると、自動ドーナツせいぞう機がとまらなくなってしまいました。お店はドーナツであふれてしまいそうです。

『床下の小人たち』(シリーズあり)

メアリー・ノートン/作 林容吉/訳 岩波書店
借り暮らしやの小人たちの家族が、大きな家の床下に住んでいました。人間から隠れて、少しずつ借りることで暮らしている小人たちでしたが、外の世界にあこがれるアリエッティが人間の男の子に見られてしまい、一家に危機がせまります。

『ライオンと魔女』(シリーズあり)

C.S.ルイス/作 瀬田貞二/訳 岩波書店
ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシィの4きょうだいは、戦争を避けるために田舎の古い屋敷に預けられます。
ある日、ルーシィが空き部屋の衣装だんすに入ってみると、たんすの奥は真夜中の森の中へ通じていました。そこは「ナルニア」という国で、「白い魔女」と呼ばれる女性がナルニア国をクリスマスも来ない冬の世界にしてしまっていました。

『りこうすぎた王子』

アンドリュー・ラング/作 福本友美子/訳 岩波書店
むかしむかし、パントウフリ国にプリジオという王子がいました。プリジオは、誕生のお祝いにやってきた妖精に「りこうすぎる王子」にされて、国中の嫌われ者になってしまいます。ところがある日、王子は美しく優しいロザリンドに出会い、恋に落ちます。魔法も妖精も竜も信じなかったプリジオ王子でしたが、ロザリンドとの約束を果たすために、火を吹くおそろしい竜、ファイヤー・ドレイク退治に出かけます。

『リンゴの木の上のおばあさん』

ミラ・ローベ/作 塩谷太郎/訳 岩波書店
アンディには、生まれたときからおばあさんがいませんでした。ですから、友だちから、おばあさんと遊びに行ったり、おばあさんにプレゼントをもらったりした、という話を聞くたび、胸がちくりと刺されたように痛みました。ところがある日、いつものようにリンゴの木に登ると、そこにはアンディのおばあさんがいました。おばあさんは、アンディをいろいろな場所に連れて行ってくれるし、アンディがやりたいことをなんでもさせてくれました。

『ロビンソン・クルーソー』

デフォー/作 海保真夫/訳 岩波書店
両親の反対を押し切って、イギリスから航海に出た若きロビンソン・クルーソーは、ブラジルの農園経営で成功し、静かな生活を送っていました。ところが、アフリカへの航海に出て嵐に会い、たった1人絶海の孤島に流されてしまいます。船に残った道具を使い、生活できる場所を作り、狩猟や農業で生きる糧を得て必死に生きたロビンソンが、孤島から脱出するまでの30年余りにわたる苦闘の日々を描いた冒険物語です。

『わたしたちの島で』

リンドグレーン/作 尾崎義/訳 岩波書店
ある夏のこと、おっちょこちょいのメルケル父さんとその子供たちは、ウミガラス島にあるスニッケル荘で休暇を過ごすことになります。メルケルソン家の4人の子どもたちは、その島の住人たちといろんなことを経験し、楽しい夏を過ごすのですが…。