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心に残る言葉-詩の海へ-

最終更新日 2018年03月01日

展示期間 : 01月から02月

展示場所 : 本館一般展示


展示ポスター
あなたにとって大切な「詩」はなんですか?
うれしい時、もっとうれしくなる言葉。
元気がない時、前を向かせてくれる言葉。
勇気が出ない時、背中を押してくれる言葉。
かなしい時、寄り添ってくれる言葉。
そんな言葉が詰まっているのが「詩」です。
本や教科書、テレビやラジオ、雑誌の広告で心に残った言葉はありませんか。
あなたが好きな歌のフレーズはありませんか。
普段、耳にしている何気ない言葉の集まりも「詩」です。
ふとした瞬間に、心に浮かぶ大切な言葉。
いつもそばにある「誰か」から「あなたへ」のメッセージ。
そんな「詩」で私たちの身の回りは溢れている、と想像したら景色がいつもと違って見えてきます。
今回の展示では、さまざまな日本の「詩」を集めました。
「詩」の海へ潜って、あなたのお気に入りの一編を探してみてください。

展示関連情報

近代の詩

明治以降、それまでの伝統的な詩歌を離れた新しい形式と内容を備えた詩があらわれ、日本の詩のアイデンティティが確立していきました。やがて、すぐれた詩が盛んにつくられる黄金期を迎えます。社会問題や戦争も、詩人たちに大いに刺激を与えました。

『あこがれ』

石川啄木/著 日本図書センター 2002年

『わたしと小鳥とすずと』

金子みすゞ/著 JULA出版局 1984年

『北原白秋詩集』

北原白秋/著 新潮社 2004年

『佐藤春夫詩集』

佐藤春夫/著 小沢書店 1997年

『若菜集』

島崎藤村/著 日本図書センター 2002年

『智恵子抄』

高村光太郎/著 新潮社 2003年

『夜明け前のさよなら』

中野重治/著 日本図書センター 2000年

『汚れっちまった悲しみに…』

中原中也/著 童話屋 2014年

『月に吠える』

萩原朔太郎/著 日本図書センター 1999年

『月光とピエロ』

堀口大學/著 日本図書センター 2006年

『春と修羅』

宮沢賢治/著 日本図書センター 1999年

『測量船』

三好達治/著 日本図書センター 2000年

『遠いこえ近いこえ』

村野四郎/著 かど創房 1994年

『抒情小曲集・愛の詩集』

室生犀星/著 講談社 1995年

『秋の瞳』

八木重吉/著 日本図書センター 1999年

現代の詩

第二次世界大戦以降、日本ではそれまでの耽美的詩の否定を発露として新たな詩が生まれました。それまでの詩歌には字数や韻を踏むといった定型がありましたが、現代詩に決まった形はなく、より自由な表現をすることが可能となりました。

『表札など』

石垣りん/著 童話屋 2000年

『わたしが一番きれいだったとき』

茨木のり子/著 毎日コミュニケーションズ 2010年

『世界はうつくしいと』

長田弘/著 みすず書房 2009年

『いそがなくてもいいんだよ』

岸田衿子/著 童話屋 1995年

『草野心平詩集』

草野心平/著 岩波書店 1991年

『くどうなおこ詩集○』

くどうなおこ/著 童話屋 1996年

『愛の縫い目はここ』

最果タヒ/著 リトルモア 2017年

『くじけないで』

柴田トヨ/著 飛鳥新社 2013年

『高田敏子詩集』

高田敏子/著 花神社 1994年

『二十億光年の孤独』

谷川俊太郎/著 集英社 2008年

『田村隆一エッセンス』

田村隆一/著 河出書房新社 1999年

『寺山修司少女詩集』

寺山修司/著 角川書店 1992年

『求愛瞳孔反射』

穂村弘/著 新潮社 2002年

『まど・みちお詩集』

まどみちお/著 岩波書店 2017年

『やなせたかし全詩集』

やなせたかし/著 北溟社 2007年

『二人が睦まじくいるためには』

吉野弘/著 童話屋 2003年

詩を書く人‐評論・エッセイ‐

詩人の生涯や試作に関する研究書や、詩人自身が書いたエッセイを集めました。

『中原中也 沈黙の音楽』

佐々木幹郎/著 岩波書店 2017年
中原中也の生涯とその詩作について、詩の下書きだけでなく落書きなどを引用し、新たな中也像を提示しています。また、新たに発見された日記資料も豊富に掲載されています。中也の詩作を幼年期から順を追って丁寧に考察しているため、初心者でも読みやすい1冊です。

『詩人なんて呼ばれて』

谷川俊太郎/語り手・詩 尾崎真理子/聞き手・文 新潮社 2017年
現代の日本でただひとり「詩を書いて食っている詩人」である谷川俊太郎。この本は、国民的詩人のこれまでの人生の軌跡と創作を振り返るインタビュー集です。18歳でのデビューからこれまでの活動と解説、インタビューから、文芸ジャーナリストが谷川さんの人物像に迫ります。

『我が愛する詩人の伝記』

室生犀星/著 講談社 2016年
自身も詩人である室生犀星が、親交のあった詩人達をとりあげて思い出や人柄を描いています。萩原朔太郎、島崎藤村、高村光太郎、立原道造などの個性あふれる詩人達のエピソードの語り口からは、著者のあたたかな眼差しと深い哀惜の念が感じられます。

『百歳日記』

まどみちお/著 日本放送出版協会 2010年
「ぞうさん」や「やぎさんゆうびん」などの童謡も愛されている詩人、まどみちおさんのエッセイ。まどさんの視点は優しく、少しばかりとぼけたところがあり、穏やかな人柄が伺えます。しかしながら、百歳の詩人の言葉は時に重く、私たちの生き方に問いかけてくるものがあります。

『金子みすゞと夭折の詩人たち』

詩と詩論研究会/編 勉誠出版 2004年
金子みすゞは26歳の若さでこの世を去ってしまいました。彼女のように若くしてこの世を去った詩人たちは多くいます。彼らはどのように「死」と向き合ってきたのでしょうか。金子みすゞを中心に詩人の生涯と詩を考察した論文集。

『高村光太郎 智恵子と遊ぶ夢幻の生』

湯原かの子/著 ミネルヴァ書房 2003年
詩人であり、彫刻家でもある高村光太郎。留学中に西洋美術に触れた経験のある光太郎は、どんな彫刻作品を目指したのか。これまであまり論じられてこなかった、光太郎の彫刻家としての一面に目を配りながらその生涯と作品を総合的に考察した1冊です。

『立ちあがる白秋』

北原東代/著 灯影舎 2002年
北原家で発見された書簡をもとに、北原白秋の人柄や交友関係を考察しています。華やか・派手・軽佻といった世間一般の「白秋像」に異を唱えたこの本からは、広い交友関係を持ち、幾重もの人生苦に耐えながら詩歌の道を探求した姿が浮かび上がってきます。

『文人悪食』

嵐山光三郎/著 マガジンハウス 1997年
教科書に必ず載っているような文人達は「偉くて立派で近寄りがたい」、そんなイメージを持っていませんか。文人といえども人間、食の嗜好やこだわりにはそれぞれの生身の姿が映し出されています。ヘンテコな逸話やお茶目な一面を知ると、彼らの作品の印象も変わってくるかもしれません。

『《復讐》の文学 萩原朔太郎研究』

嶋岡晨/著 武蔵野書院 1992年
萩原朔太郎の詩やエッセイの中に登場する「復讐」というワードに注目し、詩人の内面を追い求めた研究書。朔太郎の作品のみならず、交友関係、西洋文学からの影響など多角的な視点から論じられています。付録として「《復讐》をめぐる年表」が収録されています。

『詩人の食卓』

高橋睦郎/著 平凡社 1990年
「食」は人の生活と密接に繋がっています。そのため、食卓を覗くことで、その人の嗜好や、日常生活を知ることができるのではないでしょうか。各エッセイの冒頭には食欲がそそられる12通りの詳細なメニューが掲載されています。あなたも「詩人」の食卓を覗いてみませんか。

詩を作る・詩集を作る

詩はどのように作られるのでしょうか。詩人による「詩・詩集」の作り方の本を集めました。

『詩、ってなに?』

平田俊子/編 小学館 2016年
詩作について、「好き嫌い」「自己紹介」「わが町」の3つのテーマのもと、実際の工程が丁寧に説明されます。その他にも連詩、対談など会話形式で「詩とは」「詩作とは」ついて書かれています。この一冊を読み終わったとき、「詩ってなに?」にあなたなりの答えが見つかるかもしれません。

『もしも、詩があったら』

アーサー・ビナード/著 光文社 2015年
もし、「もしも…(if)」が世界に存在しなかったら?アメリカ人であり、日本語でも詩作をする著者が古今東西の世界の詩を紹介しながら、「もしも…(if)」という言葉の可能性を綴ったエッセイです。詩の中だけではなく、私たちの生活にかかせない「もしも…(if)」」という言葉に秘められた魅力を伝える1冊です。

『詩はあなたの隣にいる』

井坂洋子/著 筑摩書房 2015年
詩は、私たちの感情を表現するひとつの方法といえます。詩の定義は詩人の数だけあり、その表現も様々です。金子みすゞ、まど・みちお、吉野弘、茨木のり子、牟礼慶子らの詩を紹介しつつ、詩の世界の可能性を紹介しています。

『詩とことば』

荒川洋治/著 岩波書店 2012年
わかりやすくて頭を使う必要のない言葉に人々が飛びついてしまい、詩への興味・関心が薄れた現代。はたして「詩は滅びる」のか。詩とは、なにをするものなのか。現代詩作家が、詩の実情を踏まえながら、詩をつくることと詩そのものについて考察を述べています。

『ぼくらの言葉塾』

ねじめ正一/著 岩波書店 2009年
誰かの表現の真似や借り物ではなく、作者自身の言葉によって表現するにはどうすればよいのでしょう。自分の言葉をどうやって見つけるのか、そして、言葉や詩を味わったり楽しんだりするヒントを紹介しています。

『だれでも詩人になれる本』

やなせたかし/著 かまくら春秋社 2009年
「はじめのことば」は「まず この本をかいたひとが どんなひとか 説明します 詩についてかくのですが 本人は詩人ではありません」という率直な告白から始まります。詩人ではない人が詩を眺めた時何を思うのか、詩とどんな関わりを持ってきたのか。「はじめのことば」と同じような率直な言葉で、「詩人になる方法」が綴られています。

『詩とはなにか』

吉本隆明/著 思潮社 2006年
「詩とはなにか。それは、現実の社会で口に出せば全世界を凍らせるかもしれないほんとのことを、かくという行為で口に出すことである。」戦後最大の思想家ともいわれる著者が、詩をつくること、そして、詩そのものの根源についての論考を通して、自身の詩作と言葉の生み出すものを見つめ直しています。

『詩を書く』

谷川俊太郎/著 思潮社 2006年
学校で先生に詩を書くように言われて、何を書けば良いのか分からずに困った経験はありませんか。世間一般に「詩人」と呼ばれる人々はどうやって詩を書いているのでしょう。この本は、詩人はなぜ詩をつくるのかについてや言葉の選択、書くことについての論考とエッセイをまとめたものです。

『明治・大正詩集の装幀』

工藤早弓/著 京都書院 1997年
日本の近代詩は、西洋詩の影響を多大に受け、それまでの日本文学とは一線を画すものでした。詩人は、詩を入れる入れ物として、内容にふさわしい装幀をいくつも生み出します。それは詩人の自己表現であり、詩集の装丁が一つの作品でした。明治・大正の貴重な初版詩集のコレクションより、近代詩歌の歴史をたどりつつ、造本の美を探った1冊です。

どこかで聞いたことのある詩

小さい頃歌った童謡や、青春時代の思い出の歌謡曲…。教科書や広告のキャッチコピーなど耳で聞いていた詩を読んでみませんか。

『はたのもと』

秦基博/著 KADOKAWA 2017年
秦基博がデビューから10年間で発表した本人作詞の全楽曲の解説書です。歌詞は掲載されていませんが、制作の裏側や楽曲に対する思いを読みながら、楽曲を聴く楽しみがあります。巻末には、リリースされたCDのジャケットともに収録曲が掲載されています。

『日本の童謡・唱歌をいつくしむ』

高橋こうじ/著 東邦出版 2017年
童謡には、古くからの日本の慣習や暮らしが描かれているものが数多くあります。また、慣れ親しんだ歌詞でも、改めて考えてみると難しい言葉や独特な言葉遣いであるものも少なくありません。この本は「かたつむり」「花」「蛍の光」など、誰もが知っている童謡の歌詞を解説しています。言葉を見つめなおしてみると、深い意味や新たな魅力が見つかるかもしれません。

『教科書で出会った名詩一〇〇』

石原千秋/監修 新潮社 2014年
1950年代から2010年代までの国語教科書に収録された詩を集めたアンソロジー。「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」「こだまでせうか、いいえ、誰でも。」「からまつの林を過ぎて、からまつをしみじみと見き。」など、教室で朗読した思い出や、旧友と再会したような懐かしさを感じさせてくれるフレーズに出会えます。

『とてつもない歌詞』

「とてつもない歌詞」製作委員会/著 メタモル出版 2013年
本書は曲の構成にちなんで、Aメロ、Bメロ、サビの3部で構成され、すべてがクイズ形式となっています。くすっと笑える「とてつもない歌詞」クイズの解説を読んだ時には思わず「へぇ」と納得してしまいます。懐メロから最近流行した楽曲まで網羅されているので、世代を超えて楽しめる1冊です。

『虹』

北川悠仁/著 幻冬舎 2011年
ファンでなくとも、多くの人がテレビやラジオ、街中でゆずの歌声を耳にしたことがあると思います。本書では、「進む」「想う」「笑う」「描く」「慈しむ」「和む」「祈る」の7つのテーマに分けて、ゆずが14年間にリリースしてきた楽曲の歌詞が纏められています。各テーマの最後には「栄光の架け橋」や「逢いたい」など名曲が生まれる裏側も書かれているコラムが掲載されています。

『音楽とことば』

江森丈晃/企画・編集 ブルース・インターアクションズ 2009年
私たちは日頃、読んだり、聴いたりすることで歌詞に触れる機会があります。しかし、その歌詞がどのようにして生み出されているのかを知る機会はあまり多くありません。本書は、13人のアーティストにインタビューをした内容を対談形式で掲載しています。13者13様の詩作法はまさに「宝物」。「あの人はこうしている。自分なら…?」そんな視点で、13人の「宝物」を覗いてみませんか?

『胸うつ響きの名詩たち』

井狩春男/編 毎日新聞社 2004年
本や新聞を読んでいる時やラジオを聴いている時、広告などのキャッチコピーを目にした時など、聞き覚えのある詩歌にふと出会うことはありませんか。どこで知ったかはわからない、けれど、耳にしたことがあるような…。この本は、様々な名詩を集めて紹介しています。昔、どこかで聞いたことがある、そんな詩がきっと見つかります。

『歌のなかの言葉の魔法』

小貫信昭/著 ヤマハミュージックメディア 2003年
普段は聞き流してしまっている言葉を、一つひとつ拾ってみたら、新しい発見があるかもしれません。道草をするような気分で歌詞を読んでみませんか?「あなたが大好きなあの歌の、歌詞をじっくり読んだら、きっと、もっと歌を好きになる。」をコンセプトに全23曲を紹介しています。

『十五夜お月さん』

野口雨情/著 社会思想社 2002年
野口雨情は「七つの子」「赤い靴」「黄金虫」など、誰もが幼い頃に口ずさんだことがある、数多くの童謡をつくりました。「純真無垢の児童の心を培ふこと」「郷土色を多少でも養ふこと」を「努め」として、人々の心に残る童謡をのこした雨情。その真っすぐな言葉の世界に触れてみませんか。

『詩ってなんだろう』

谷川俊太郎/著 筑摩書房 2001年
詩の世界は深く、そして多様です。言葉に調子をつけたものもあれば、音だけで意味のないものもあります。早口言葉やわらべうたも詩の仲間です。この本では、広く知られている詩の仲間を集め、詩の時間的・空間的な見取り図を示しています。身近にある言葉が詩の仲間であるとわかると、詩の世界にもぐっと近づきやすくなります。