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家族のカタチ

最終更新日 2017年06月30日

展示期間 : 05月から06月

展示場所 : 本館一般展示


展示ポスター
あなたにとって「家族」とはなんですか。理想の家族とは、どんな家族をいうのでしょうか。家族のカタチは、ひとそれぞれ違います。近くにいて毎日顔を合わせるからこそ、本当の気持ちを伝えられなかったり、普段は心の支えとなっている家族の絆が負担に感じられたりと、家族は、ときに複雑で難しい存在にもなるのです。
家族は小さな社会と言われますが、時代や社会の変化は家族のカタチを変えていきます。そして、さらなる新しい家族のカタチが求められていくのです。
今回の展示では、家族にまつわるエッセイや小説、家族の多様性を考える本を集めてみました。家族について見つめ直してみませんか。

展示関連情報

新しい家族のカタチ

家族のカタチが多様化しています。事実婚、同姓婚、特別養子縁組による家族など、婚姻や血縁関係、性別にとらわれない、新しい家族像を考えるのに役立つ本を紹介します。

『産まなくても、育てられます』

後藤絵里/著 講談社 2016年
特別養子縁組制度の概要や具体的な手続きの方法をわかりやすく解説しています。実際に養子を迎えた家族の体験談も豊富に掲載。どの親も子どもと真摯に向き合い、愛情と時間をかけて「家族」になっていく姿が紹介されています。

『うちの子になりなよ』

古泉智浩/著 イースト・プレス 2016年
6年間の不妊治療のすえ、里親という選択肢を選んだ漫画家の子育てエッセイです。NICU(新生児特定集中治療室)での初対面、オムツ換えや寝かしつけ、救急外来、1歳の誕生日と、子育てに奮闘する姿が4コマをまじえつつ描かれています。

『僕たちのカラフルな毎日』

南和行・吉田昌史/著 産業編集センター 2016年
小さい頃は「男の人のことが好きなんてダメだ」「幸せな未来なんてあるはずがない」と考えていた著者が、パートナーと出会い、夫夫(ふうふ)で弁護士事務所を営むまでの日々を綴ったエッセイ。社会の差別や偏見に悩みながらも、パートナーと前向きな毎日を送る様子を、ユーモアたっぷりに書いています。

『ルポ同性カップルの子どもたち』

杉山麻里子/著 岩波書店 2016年
子育てにはげむアメリカの同姓カップルと、その子どもたちのインタビューをまとめたノンフィクションです。里親として養子を迎えたカップル、精子・卵子提供、代理出産によって子どもを得たカップルなど、様々な事例を取り上げています。父親が2人の家族や母親が2人の家族、血縁上の親と産みの親、そして育ての親がいる子どもなど、「家族のかたち革命」ともいえるアメリカ社会の動きを丹念に追っています。

『オトナ婚です、わたしたち』

大塚玲子/著 太朗次郎社エディタス 2013年
事実婚、別居婚、役割逆転婚と、様々なパートナーとの生き方を取り上げています。自分に合った結婚の形を選択し、自分らしく生きる人たちの結婚生活をインタビュー形式で紹介しています。

『他人と暮らす若者たち』

久保田裕之/著 集英社 2009年
ルームシェアについて解説した新書です。ルームシェアをしている人の体験談やルームシェアの良い点・悪い点を取り上げ、日本の居住問題について考察しています。血縁者や恋人ではない人と生活を共にするルームシェアも、新しい家族のカタチなのかもしれません。「居住」という観点から家族のあり方について考えさせられる一冊です。

『子育て主夫青春物語』

堀込泰三/著 言視舎 2012年
大手企業のキャリアを捨て、2人の息子の育児に励む主夫へ。まだイクメンが珍しい時代に主夫業へと身を投じ、四苦八苦しながらも子どもの笑顔のために頑張る父親が書いた子育てエッセイです。「自分の価値観に従って生きてきた」という著者。家族のカタチは多様でいいというメッセージが伝わってくる1冊です。

毒親にならないために

過剰な愛情で子どもを支配し、子どもの人生をコントロールする毒親(どくおや)が増えています。毒親にならないために、毒親に苦しむ子どもを守るために、毒親に関する本を紹介します。

『家族という病』

下重暁子/著 幻冬舎 2015年
家族が幸せの象徴と信じている日本人の考え方や家族間の問題を、著者の家族や身近な人を題材にして語っています。ベストセラーとなり、売上部数だけではなく読者の賛否両論が大きな反響を呼びました。続編の巻頭では、「『家族という病』への世間の反応」とし、著者の思いが綴られています。

『毒になる母親』

キャリル・マクブライド/著 飛鳥新社 2012年
自己愛が強く、娘を愛せない母親に支配され育てられた娘は、情緒に何らかの問題を抱えます。この本には自分自身や母親の自己愛度を知ることができるチェックリストが掲載されています。毒親にならないために、自分の自己愛を確認してみましょう。

『親子共依存』

尾木直樹/著 ポプラ社 2015年
モンスターペアレントが普通になり、世話を焼きすぎる親が増えています。子どもの自立を阻むのは親です。親離れできない、子離れできない親子共依存の状況は、ゆっくりと子どもの心を壊していきます。健全な親子関係とはどういうものなのでしょうか。

『長女はなぜ「母の呪文」を消せないのか』

大美賀直子/著 さくら舎 2014年
母親が長女に言う「あなたのために」というひと言は、知らず知らずに娘の考え方や行動を縛っていきます。母の望む人生を過ごす中で、違和感に気づくことができた長女のために、私らしさを取り戻す方法を導いてくれます。

『毒になる親』

スーザン・フォワード/著 毎日新聞社 1999年
子どもの人生や将来を台無しにする毒親の行動をタイプごとに細かく解説しています。毒親にコントロールされていた自分の過去を認め、自由な人生を取り戻すために必要な、親との精神的な対決や決別の方法を具体例をあげて紹介しています。

『「毒になる母親」を乗り越える11のリスト』

金盛浦子/著 講談社 2012年
毒親に育てられた人や「自分は毒親かも」と感じている人の不安を解消してくれる1冊です。家族が幸せになるための方法が紹介されています。子どもと適度な距離を保ちながら、子どもの心を知るポイントや子どもを支える言葉など、参考になるリストが掲載されています。

『子は親を救うために「心の病」になる』

高橋和巳/著 筑摩書房 2010年
子どもを診察してきた精神科医の著者が、実際のカウンセリング事例を紹介し解説しています。大好きな親の役に立つため、親に必要とされるために、心の病を患った子どもたちが苦しむ様子に胸が痛みます。

『親を殺したくなったら読む本』

石蔵文信/著 マキノ出版 2015年
驚くタイトルは、「そのような感情を持っても異常ではないことを知ってもらうため」。ストレスを抱え、「親に疲れた症候群」を患う人のために、医師の視点から気持ちを整理する方法を提案しています。

家族小説

父親が4人いる家族や、狸の一族、ちょっと問題のある親子など、物語のなかの「家族」をのぞいてみませんか。様々な家族が登場する小説を紹介します。

『家族写真』

荻原浩/著 講談社 2013年
家族のさりげない愛をテーマにした短編集です。中年男性の目線で書かれた物語は、まるで我が家やご近所を覗き見したようでクスリと笑えます。最後に収録された表題作「家族写真」は、小さな写真館の父と子どもたちの姿を描いた読後感の良い作品です。

『有頂天家族』

森見登美彦/著 幻冬舎 2007年
著者自身が「毛深い子」と呼び、ファンの間でも「毛玉ファンタジー」という言葉が生まれるほど人気のシリーズです。狸と天狗が人間に化けて京都で暮しているという不思議な設定ですが、「面白きことは良きことなり」という主人公の明るさと家族愛の温かさに、悩みが吹き飛ぶ物語です。

『オー!ファーザー』

伊坂幸太郎/著 新潮社 2010年
4人の父親を持つ高校生の、一風変わった家族の物語です。4人の父親はギャンブル好き、博識、女好き、運動神経抜群と個性豊か。主人公の由紀夫は父親達に振り回され、様々なトラブルに巻き込まれることに・・・。父と子の軽妙なやりとりが面白く、こんな父親なら4人いてもいいかもと思わされます。

『きみはいい子』

中脇初枝/著 ポプラ社 2012年
児童虐待や育児放棄など、問題を抱える家族が出てくる連作短編集です。虐待を受ける子ども、家族を失った人、かつて虐待を受けた人など、心に傷を抱えながらも家族と向き合う人たちを温かなタッチでえがいています。

『血脈』

佐藤愛子/著 文芸春秋 2001年
著者の一族を題材にした大河小説です。最初の妻を捨て女優と再婚した小説家の父・佐藤紅緑、詩人として名を馳せながらも壮絶な人生を送った兄・サトウハチロー。そして著者自身もまた、2番目の夫が作った莫大な借金を背負い、波乱の日々に身を置くことになります。情念に突き動かされ、凄絶な人生を招きよせてしまう佐藤家を、10年以上の歳月をかけて書き上げた大作です。

『無印親子物語』

群ようこ/著 角川書店 1993年
問題のある親子が次々と出てきます。小説の中の話と思えば、楽しく笑って読めますが、どこかにいそうで少し心配にもなります。「普通の親子っていないの?」とつぶやきたくなる1冊です。

コミックエッセイで読む

家族問題をテーマに描かれたコミックエッセイを紹介します。実体験の重みと、コミックならではの面白さの両方を味わうことができます。

『母娘(ははこ)問題 オトナの親子』

おぐらなおみ/著 中央公論社 2017年

『それでも母が大好きです』

細川貂々/著 朝日新聞出版 2016年

『母になるのがおそろしい』

ヤマダカナン/著 KADOKAWA 2016年

『母親やめてもいいですか』

にしかわたく/著 かもがわ出版社 2013年

『継母ですが?もう1つのシンデレラストーリー』

新川てるえ/著 エンターブレイン 2013年

『30点かあさん』

たかぎなおこ/著 メディアファクトリー 2007年

『うちの3姉妹』

松本ぷりっつ/著 主婦の友社 2006年

『ていへん親孝行』

大日野カルコ/著 誠文堂新光社 2016年