資料を探す

本・雑誌・音楽・映像を探す。情報の調べ方を知る。

空への憧れ

最終更新日 2017年05月25日

展示期間 : 11月から12月

展示場所 : 本館一般展示


展示ポスター
古来より、空を飛ぶことは人々の大きな憧れでした。科学が発展した今でも、自由に空を滑空する鳥を見て「あんな風に飛ぶことができたらどんなに素敵だろう」と考えることがあるのではないでしょうか。
最近では、スタジオジブリ作品で描かれた航空技術者の飛行への情熱が記憶に新しい方も多いかもしれません。1903年12月17日にライト兄弟による初飛行が達成されて以来、飛行技術は目覚しい発展を遂げてきました。人や物資の輸送、調査・観測、娯楽あるいは軍事目的などその役割はさまざまですが、飛行機は私たちの生活になくてはならない、身近で大きな存在になっています。
今回の展示では、意外にも新しい飛行機の発展の歴史や現代の飛行技術について、また、飛行機や空にまつわる科学、時事、仕事、空間など、空をもっと身近に感じられる本を「空への憧れ」と題してご紹介します。

展示関連情報

歴史と仕組み

『飛行機の歴史』

山本忠敬/著 福音館書店 1999年
人々は「飛ぶ」ことをどのように思い描き、試行し、実現させてきたのだろうか?古代から現代までの飛行の歴史を、豊富なイラストとともに追う。児童向けに書かれているのでビジュアル・文章ともに読みやすい本となっている。

『ライト兄弟鳥人伝説』

文林堂 2004年
有人動力初飛行の成功者として有名なライト兄弟。では2人のそれぞれの名前は?初飛行の年は?飛行機の名は?クイズ問題的に尋ねられればどれだけ答えられるだろうか。読みやすい本書で正解を見つけてほしい。

『航空人列伝』

鈴木五郎/著 潮書房光人社 2013年
初飛行、飛行機の海峡越え、飛行記録への挑戦、飛行船の隆盛やヘリコプターの誕生。飛行機野郎たちの人間臭いドラマで、ライト兄弟からジェット機の開発へと続く航空史が蘇る。

『零戦 その誕生と栄光の記録』

堀越二郎/著 角川書店 2012年
映画「風立ちぬ」ですっかり有名になった堀越二郎。彼は航空史に残る名機の主任設計者だった。「与えられた条件の中で考えられるぎりぎりの成果をどうしたら一歩抜くことができるか」を常に考える技術者魂がここにある。

『羽 進化が生みだした自然の奇跡』

ソーア・ハンソン/著 白揚社 2013年
羽(羽毛)を持つ生き物は鳥だけしかいない。裏返せば、なぜ鳥にしか羽はないのか。そして、羽は鳥にどうやって大空を飛び回る力を与えたのか。羽の構造、機能、進化へと導かれる論理的明快さが冴える。

あんな空港、こんな飛行機

『空港のはなし』

岩見宣治ほか/著 交通研究協会 2013年
一冊だけ読んで空港通になりたいという人におすすめの本。成田に住んでいても、仕事で空港に関わってでもいなければ知らないことは意外に多い。飛び立つ機体を眺めながら「空港とはどんなところだろうか」と感じたら、ぜひページを開いてみてほしい。

『成田国際空港フライト準備OK!』

深光富士男/著 佼成出版社 2012年
成田空港で航空機の快適なフライトを支える人々の仕事現場を知るのに最適な一冊。海外の空港発の便が成田に飛来するところから、新たな乗客を乗せ飛立つまでを時系列で伝える。児童向けに書かれているため、とても読みやすい。

『世界の美しい空港』

宝島社 2012年
出発ロビーで旅立つ人が見えなくなるまで手を振り続ける人がいる。映画のワンシーンとはいかないまでも、空港は美しくドラマティックな場であってほしい。出会いと別れが交錯する世界の空港を成田空港も含めて紹介する。

『ヒコーキの心』

佐貫亦男/著 光人社 1995年
飛行機博士とも呼ばれる著者による飛行機エッセイの名著。行間から氏の機体への温かな眼差しが滲むこの本がきっかけとなって、飛行機の虜になったという人も多いのでは。

『Nobさんの飛行機グラフィティ1』

下田信夫/著 光人社 2006年
飛行機イラストの第一人者である下田信夫。氏の描く飛行機は写真で見るよりずっと愛嬌があり、まるで人格を持つかのようだ。全3巻のイラスト飛行機大博覧会に、航空ファンならずとも眼を奪われることだろう。

仕事いろいろ

『ジャンボと飛んだ空の半世紀』

杉江弘/著 交通新聞社 2012年
飛行時間世界一。そのうえ搭乗中の乗員乗客の怪我・機材の損傷なしというスーパーパイロット。しかし、何より私たちが参考にするべきは杉江機長のプロフェッショナルとしての心構えや、人間味溢れるサービス精神なのだろう。

『航空機は誰が飛ばしているのか』

轟木一博/著 日本経済新聞出版社 2009年
航空管制の現場を解りやすく描いた数少ない本。滑走路への進入や離発着の指示、空港から100キロ圏にいる航空機の管制を含めた多様な仕事のほか、羽田空港の拡張についても述べられている。

『真実の瞬間』

ヤン・カールソン/著 ダイヤモンド社 1990年
一航空会社の本というより、顧客本位に徹底した経営哲学を知ることのできる有名なロングセラー。お客はその企業に接するほんの短い時間で良し悪しを判断してしまうというのだから、初対面の挨拶の占めるポイントは相当に高い。

『命をつなげ!ドクターへリ』

岩貞るみこ/著 講談社 2008年
ドクターヘリを初めて間近に見たのは、成田空港内で行われた航空機事故消火救難訓練でのこと。訓練とはいえ、病院に向け飛び立つ様は尋常でない緊迫感が走る。児童向けだが、地元の救急医療の現場を描くこの本を一読したい。

『空飛ぶ山岳救助隊』

羽根田治/著 山と渓谷社 1998年
遭難場所に轟音を立てて向かう救助隊のヘリ。無線通信の音声が辺りに響き、登山客は一様に上空を見上げていた。ヘリによる山岳救助の骨格を築き上げ、東邦航空でパイオニアとして活躍した篠原秋彦の物語。

『大空のサムライ かえらざる零戦隊』

坂井三郎/著 光人社 2003年
零戦のエース坂井三郎の自伝。原著は60年前に出版され、他の版も含め世界中でベストセラーとなった。圧倒的な運動能力と軽量化のための装甲の薄さという諸刃の剣を持った機体で、壮絶な空中戦が展開される。

飛んでみよう!

『フライトナビ 国内線ルート&機窓ガイド』

イカロス出版 2011年
窓から見える富士山に盛んにカメラを向ける外国人。一方では鳥瞰図のような南アルプスの峰々が。窓越しに見える景色は空の旅の大きな魅力の1つだろう。この本は、路線別に地図を用いて、美しい風景を見逃さないための手引きとなる一冊。

『ナウシカの飛行具、作ってみた』

八木和彦/著 幻冬舎 2013年
宮崎駿監督の名作アニメの主人公ナウシカが乗る愛機「メーヴェ」を、実際に作ってしまった人がいる。その発想、製作、離陸、10年をかけたプロジェクトを詳細に描く。

『ヘルマン・ヘッセ空の旅』

ヘルマン・ヘッセ/著 ゼスト 1999年
少年時代の苦悩を描いた自伝的小説『車輪の下』で知られるヘッセ。この本では、飛行船や初めての飛行機、そして誕生間もない旅客機での空の旅を、南ドイツの風光の中で驚きとともに心底楽しんだ様が軽やかな文体で綴られる。

『雲の回廊』

HABU/著 PHP研究所 2012年
吸い込まれるような空と雲。様々な表情を見せる雲が、青空へと続く道が、人生の応援歌のように聞こえてくる。一貫して空と雲をモチーフに写真を撮り続けるHABUワールドをどうぞ。

『すごい空の見つけかた』

武田康男/著 草思社 2009年
雨上がりの夕映えの空や飛行機の窓から見る雲海に心動かされることは誰にもあるはず。南極越冬隊員、また、気象予報士、空の写真家でもある著者が教える「見つけかた」の科学的解説も参考になる。

空が舞台の物語

『あぽやん』

新野剛志/著 文藝春秋 2008年
ドラマ化され空港内や市内でロケが行われたことで知る人も多いのでは。旅行会社勤務の主人公が、本社から成田空港の窓口という最前線に飛ばされ「あぽやん」として成長する姿を描く。

『トリガール!』

中村航/著 角川マガジンズ 2012年
人力飛行機サークルに入部した女子大生が、仲間と共に鳥人間コンテストに夢をかける。『100回泣くこと』でロングセラーにもなった著者が描いた青春部活小説。

『翼をください』

原田マハ/著 毎日新聞社 2009年
一枚の写真をきっかけに、初めて世界一周を達成した純国産飛行機「ニッポン」号の秘密を追う。

『碧空のカノン』

福田和代/著 光文社 2013年
航空自衛隊の音楽隊で起こった不思議な事件。ちょっとドジな主人公と個性派ぞろいの仲間たちが活躍する軽やかな音楽ミステリ。

『犬とハモニカ』

江国香織/著 新潮社 2012年
6つの短編のうち表題作は帰国便機内から成田空港の到着ロビーまでの短い時間を共有する人々の物語。

『大空の夢と大地の旅』

瀬名秀明/著 光文社 2009年
作家自らパイロット免許を取得し世界各地を飛行するエッセイ。ルパンの奇岩城やインフルエンザ発生地を訪れるなど、ちょっと変わった旅行記を楽しむことができる。

関連web情報

航空科学博物館別ウインドウで表示する

成田空港に隣接する日本で最初の航空博物館。実物や模型など各種資料から航空の歴史や科学技術について学ぶことができる。大型模型やシミュレータを使っての操縦体験もおすすめ。