資料名高柳重信書簡 三橋鷹女宛て 1967(昭和42)年7月3日
著者名高柳重信
出版者
作成年1967(昭和42)年7月3日 (消印 昭和42年7月16日)

書き下し文

(封筒 表)

武蔵野市吉祥寺北町四丁目十三の二十八

三橋鷹女様

(封筒 裏)

〈印刷〉「東京都渋谷区上原三丁目四番十三号  電話 代々木(四六七)〇九四一番

俳句評論社」

髙柳重信

(本文)

  すっかり暑くなりました。

  先日お電話を頂いた五周年記念合同句集は、どこかへ入りこんでしまって、なかなか見つかりませんでしたが、ようやく特製本が押入れの中から出て来ました。早速お送り致します。

目下、十周年記念号の編集企画を樹てて、原稿依頼を発送中です。なるべく全同人に参加して貰うために、いろいろと苦心しましたが、鷹女さんには特別作品十五句をお願いすることになりました。特別作品は、他に永田さんに頼みました。あまり日数が少いので申しわけないのですが、七月末日までに御送稿いただければ幸甚です。

大会には、髙屋さんが何か話をしてくれそうなので、今から喜んでいます。なお、「俳句評論」賞の応募作品は、いま整理中ですので、近いうちに審査にとりかかる予定です。

とりあえず用件のみ。

   七月三日     

髙柳重信

三橋鷹女様

※「俳句評論社」原稿用紙使用

解題

 この手紙は高柳重信が、三橋鷹女からの電話での求めに応じて、『俳句評論』創刊5周年記念合同句集『現代俳句選集』(俳句評論社 1962(昭和37)年12月20日発行)の特製本を早速送ること、『俳句評論』創刊十周年記念号には鷹女に「特別作品」15句の寄稿をお願いすることになったこと、第3回『俳句評論』賞の応募作品は整理中で、近いうちに審査にとりかかること、などに触れた三橋鷹女宛の書状である。

 『現代俳句選集』は『俳句評論』同人79人の作品各28句を五十音順に収録した合同句集。鷹女の作品は収録されていないが、鷹女は何かの必要があって、在庫があれば送ってほしい旨を電話したのであろう。『俳句評論』十周年記念号(第72号 1967(昭和42)年9月30日発行)に「特別作品」15句の寄稿を乞われた鷹女は、「幼な日のをさな名を呼ぶ黒い鳥」など、「追悼篇」15句を寄稿した。また、永田耕衣も「眼に入れた野菊が荒れる男われ」など、「田荷軒眉毛」15句を寄稿した。第3回『俳句評論』賞の「作品」の部の審査には鷹女も、高屋窓秋・高柳重信・塚本邦雄・永田耕衣・吉岡実とともに当った。その結果、「作品」の部の受賞作は河原枇杷男の「虚空研究」30句、「評論」の部(審査員は赤尾兜子・大岡信・三谷昭)の受賞作は折笠美秋の「否とよ、陛下!」であった。

(川名大)

NSIN(書誌ID)DL20151000100
種別書簡(封書)
細目
ページ数
大きさ(縦×横)27.2cm×39.5cm (封筒20.5cm×9cm)
資料群名三橋鷹女資料
目録番号14
撮影年月日2014/01/17
掲載枚数 2 枚
備考封筒にシミ
所蔵個人所蔵
分類915.6
件名三橋鷹女
件名(成田)成田市-三橋鷹女
キーワード(成田)
地域コードN
郷土分類956