風土と虫と人の文明

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最終更新日2003/08/08

講師:奥本大三郎氏


フランス文学者にして稀代の昆虫愛好家でもある奥本大三郎先生は、1944年3月6日大阪で生まれました。
現在は埼玉大学で教鞭をとられるかたわら,日本昆虫協会会長として活躍されています。

先生が子どもの頃,今以上に自然に恵まれていたこともあり,多くの生き物たちが身のまわりに棲息していました。
特に一番身近にいたものは,「昆虫」でした。トンボやチョウ,カブトムシなどと触れ合う感動が忘れられず,そのことが「昆虫の世界」へ足を踏み入れていくきっかけとなったようです。

昆虫の世界を研究するため,日本ばかりでなく世界各国を巡るうちに,先生はあることに気がついたそうです。
それは,『面白いことに,世界の各地域ごとに,虫や鳥の姿形,色彩に,それぞれに一定の傾向があり,しかもそれがその土地に住む人の造り出すものと似ているところがある』という点です。

講演では,先生は沢山のスライドを持参され,時間の許す限り見せてくださいました。タイの寺院のデザインが,実際にタイに棲息する甲虫の仲間とその形態が大変良く似ていること,美しいチョウの数々,大英博物館に収められている精巧に作られた昆虫の作品など,冗談を交えながら一つ一つ説明してくださいました。
およそ2時間,私たちは昆虫の不思議な世界を旅したようでもありました。

先生は「ファーブル昆虫記 全8巻」(集英社刊)の編訳をはじめ,昆虫に関する多くの著作を執筆されています。エッセーから子ども向けの読み物まで多岐にわたっておりますので,ぜひ皆さんも読んでみてはいかがでしょうか。
主な著書
「虫の宇宙誌」 青土社
「ホタルがひかってる」 福音館書店
「楽しき熱帯」 集英社
「虫の春秋」 読売新聞社

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