資料名夏目漱石書簡 鈴木三重吉宛 明治43年4月16日
著者名夏目漱石
出版者
作成年1910(明治43)年4月16日

書き下し文

差出人

牛込早稲田南町七 夏目金之助

受取人

千葉県成田町    鈴木三重吉様

本文

 拝啓 小鳥の巣は題名の通り小鳥の巣に至って始めて君の真面目を発揮致し候。   あ丶いふことの叙述は今の文壇無之。従って甚だ興味深く候 草々

解題

日付から見て国民新聞に連載中の『小鳥の巣』が八に達して、主人公の十吉が幼い自分と万千子のふたりして眺めた、燕の巣作りや子育てを回想する箇所であろう。坂本四方太、高浜虚子、寺田虎彦たちの写生文に傾倒した時期をもつ鈴木三重吉らしい自然詩的観察で彼の本領を発揮したと漱石は評価している。処女作『千鳥』の時にも、有名な「僕名作を得たり之をホトトギスに献上せんとす」の書信を虚子に呈して推奨した漱石であるが、三重吉の資質を見抜く眼はこの時も然りである。

(山本佗介 事務局にて一部加筆)

NSIN(書誌ID)DL20131000140
種別書簡
細目葉書
ページ数1枚
大きさ(縦×横)26.0×9.0cm
資料群名鈴木珊吉氏寄贈の鈴木三重吉資料
目録番号16
撮影年月日2012/09/12
掲載枚数 2 枚
備考
所蔵成田市立図書館
分類 816.6
件名鈴木三重吉
夏目漱石
件名(成田)成田市-鈴木三重吉
キーワード(成田)
地域コード9N
郷土分類866