資料名三重吉の書
著者名鈴木三重吉
出版者
作成年不明

書き下し文

われわれは永久に夢を持つ。ただ年少時のごとく、ために煩はさるること少なきのみ。夢なき生は獣の生に等しからん。  三重吉

解題

鈴木三重吉の生誕地・広島市の平和記念公園の西端に、少年と少女の像を乗せた三重吉の文学碑があり、その碑面には、「私は永久に夢を持つ ただ年少時のごとく ために悩むこと浅きのみ」と、三重吉自筆の文字で刻まれている。「われらは」と「私は」などの異同があるのは、この文言が何度かに亘って別の場所で用いられたことを示している。知人に書き贈った文言と思われるが、この紙片がいつどのような経緯で綴られたものかは未詳である。

直接の関連ではないが、思い起こされるのは、京都三高(第三高等学校(旧制))卒業当時の鈴木周作宛て書簡1904(明治37)年8月28日に、「もしわが生活に意味あらばそは夕ばえの色の浮かびてより夢に入るまでの世界」という言葉を、22歳の三重吉は感激したように記していた。この書簡自体が万葉集に憧れていた青年三重吉の夢想を語るものだが、それはその後も三重吉の作品に流れ続けた夢想的浪漫主義の表現であった。

(星野光徳)

NSIN(書誌ID)DL20131000130
種別
細目紙片
ページ数1枚
大きさ(縦×横)20.0×12.0cm
資料群名鈴木珊吉氏寄贈の鈴木三重吉資料
目録番号13
撮影年月日2012/09/12
掲載枚数 1 枚
備考額入り、取出し可
所蔵成田市立図書館
分類 816.6
件名鈴木三重吉
件名(成田)成田市-鈴木三重吉
キーワード(成田)
地域コード9N
郷土分類866