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王朝文化の雅

最終更新日 2024年04月27日

展示期間 : 05月から06月

展示場所 : 本館一般展示


王朝文化の雅の展示ポスター
今からちょうど千年ほど昔の日本では、藤原氏を中心とした貴族たちが活躍し、日本独自のかな文字をはじめとする王朝文化(国風文化)が隆盛を極めていました。
紫式部が、貴族社会を舞台にした長編小説『源氏物語』を執筆したのも、この時代です。
その後、武士や文明開化の時代を経て、さすがに牛車が通勤に使われることはなくなりましたが、有職文様や薫香などは雅なものとして、今も生活の中に取り入れられています。
今回の展示では、王朝文化が花開いた平安時代や、『源氏物語』に関する資料を紹介します。

展示関連情報

平安時代を知る

『王朝びとの生活誌』

森話社 2013年
平安貴族の結婚事情や酒宴についてなど、平安時代の生活について、当時の記録を基に考察していきます。舞台となった社会を知ることで、王朝文学がより深く理解できます。

『王朝貴族のおまじない』

繁田信一/著 ビイング・ネット・プレス 2008年
「悪い夢を見たら」「雷がなったら」そんなシチュエーションごとに、王朝貴族たちがどんな対処をしていたのか、おまじないの方法がエピソードとともに書かれています。

『王朝生活の基礎知識』

川村裕子/著 角川書店 2005年
宮仕えというのは、どんな仕事なのか。宮中で仕事をする女性たちの身だしなみのマナーや恋愛事情などが語りかけるような文体で説明されていて、まるで大学の講義に参加しているようです。

王朝文化あれこれ

『有職文様図鑑』

八條忠基/著 平凡社 2020年
平安時代において、朝廷や公家で用いられてきた有職文様について、モチーフとなった植物や動物などの種類ごとに、いくつかの異なるバリエーションを紹介しています。文様のパーツの詳細図の他、工芸品などに用いられている実例も載っています。

『美しき雅楽装束の世界』

遠藤徹/著 淡交社 2017年
宮中や寺社で伝えられてきた雅楽は、今もお正月などに耳にすることがあるでしょう。舞の装束は東南アジアの影響を受けた力強いデザインが魅力的です。この本では、仮面や兜なども含めた雅楽のさまざまな装束と曲目について、美しい写真と詳しい説明で知ることができます。

『はじめての王朝文化辞典』

川村裕子/著 KADOKAWA 2022年
歴史や古典の授業などで聞いたことのある単語をはじめ、あまり聞き慣れない儀式にまつわる事物など、王朝文化を知るための事柄をいくつかのジャンルに分けて解説しています。イラストも載っていて、わかりやすい内容になっています。

『牛車』

櫻井芳昭/著 法政大学出版局 2012年
名前は知っていても、実態はよく知らない人が多い平安時代貴族の乗り物・牛車について、構造やランク、牛の調教、当時の交通規制など、様々な角度から紹介してくれる本です。

王朝文学あれこれ

『王朝文学の楽しみ』

尾崎左永子/著 岩波書店 2011年
和歌・日記・物語と、王朝文学にも様々なジャンルがありますが、いずれも季節感や感情を織り込んで、読む人の心に訴えかけてきます。教科書には出てこない王朝文学の楽しみ方について教えてくれる本です。

『王朝の恋の手紙たち』

川村裕子/著 角川学芸出版 2009年
Eメールのない時代、貴族たちは頻繁に手紙をやりとりしていました。この本では、盗まれないための工夫や、なかなか来ない返事を待つ気持ちなど、平安時代の手紙に関する様々な事柄が紹介されています。

『紫式部女房たちの宮廷生活』

福家俊幸/著 平凡社 2023年
当時の日記などの記録から、紫式部の生い立ちや人間関係を読み解きます。宮中でのエピソードや、『源氏物語』が宮廷でどのようにして多くの人に読まれていったのか、といった項目も採りあげられており、興味深いです。

源氏物語に触れてみる

『すらすら読める源氏物語 上・中・下』

瀬戸内寂聴/著 講談社 2005年
ふりがなつきの原文と現代語訳を上下に配置して、対比しながら読み進めることができます。文庫版もあり、全3巻です。

『平安時代ツアー 紫式部と源氏物語ゆかりの地をめぐる』

紫野54チーム月影/編 東京ニュース通信社 2023年
平安時代の生活や物語に関する博物館の他、『源氏物語』に登場したり、作中の和歌に詠まれた寺社や、紫式部の邸宅跡や墓所など、ゆかりの地を訪ねるのに役立つガイドブックです。

『よみがえる源氏物語絵巻』

NHK名古屋「よみがえる源氏物語絵巻」取材班/著 日本放送出版協会 2006年
現存する日本最古の絵巻物語であり、国宝になっている「源氏物語絵巻」の全巻復元作業の記録です。絵具の分析から復元模写された色彩鮮やかな図に、当時の人々が目にした際の感動に思いを馳せることができます。

『語りたくなる紫式部』

吉井美弥子/監修 主婦と生活社 2023年
紫式部の半生から彼女に関係のある人物たちの紹介、また『源氏物語』や『紫式部日記』をもとにして、知られざる平安宮廷の内部を知ることができる一冊になっています。